2026年9月18日金曜日

【茂原水害】治水対策は確実に前進している 8月豪雨で見えた「水害の街」からの変化

2026年8月の豪雨は、茂原市にも大きな緊張をもたらしました。本納方面などでは実際に被害が発生し、改めて水害の恐ろしさを感じた方も多かったと思います。

一方で、長く茂原を見てきた立場からすると、今回の豪雨ではもう一つ、はっきりと感じたことがありました。

「茂原の水害対策は、確実に前へ進んでいる」ということです。

以前なら水没していた場所が、今回は無事だった

茂原市役所周辺や、ブックオフ・ガスト、茂原ショッピングプラザアスモなどがある一帯は、過去の大雨では「また水が出るのではないか」と心配になる場所でした。

実際、以前は大雨のたびに冠水や浸水を心配するような地域でした。それが今回の豪雨では、この周辺は大きな被害を受けずに済みました。

もちろん、市内全体が無傷だったわけではありません。本納方面をはじめ被害が生じた地域もあります。

それでも、以前なら被害を覚悟していた場所が持ちこたえた。この変化は、地元で暮らしている人間にとって非常に大きなものです。

茂原は昔から「水」と戦ってきた街

茂原の水害は、近年突然始まった問題ではありません。

一宮川は茂原市街地で複数の支川が合流し、勾配も緩やかになるため、もともと洪水が発生しやすい地形です。千葉県によると、一宮川流域では平成元年、平成8年、平成25年、令和元年と、約30年間だけでも4度の大きな浸水被害が発生しています。

しかし、見方を変えれば、茂原という街の歴史は「水害に負けず、そのたびに治水を進めてきた歴史」でもあります。

河川を改修し、排水路を整え、調節池や排水施設を整備しながら、人が安心して暮らせる街へ少しずつ変えてきました。

市も「水害のない街」を明確に掲げている

茂原市は現在、「水害のない街づくり」を明確に掲げています。

令和元年10月25日の大雨を契機として、千葉県や一宮川流域の自治体と連携しながら河川整備や内水対策を進め、さらに令和5年9月8日の大雨を踏まえて対策を強化しています。

2026年度には、八千代地区の増補管整備、アスモ周辺の雨水管整備、排水機場の能力増強、河川改修、田んぼダムやため池を活用した雨水流出抑制など、かなり具体的な事業が進められています。

▶ 茂原市「内水対策の方針について」

今回の豪雨は、対策の成果を見る一つの機会にもなった

治水事業は、道路が完成したり新しい建物が建ったりする事業と違い、成果が非常に分かりにくいものです。

何も起きなければ、「何も起きなかった」で終わってしまいます。

しかし水害対策において、その「何も起きなかった」こそが成果です。

今回、以前なら冠水を心配していた市中心部の一部が大きな被害を免れたことは、これまで積み重ねてきた河川改修や内水対策が少しずつ形になっていることを感じさせます。

もちろん、一度の豪雨だけで治水対策全体の効果を断定することはできません。それでも、地域で長年状況を見てきた人ほど、以前との違いを感じたのではないでしょうか。

近年の雨は「昔の常識」だけでは対応できない

一方で、治水を取り巻く条件そのものも厳しくなっています。

千葉県は、一宮川流域の対策について、気候変動による水害の激甚化・頻発化に備える必要性を明記しています。線状降水帯のように、発達した雨雲が同じ地域に次々とかかり続ければ、短時間で災害の危険度が急激に高まります。

つまり、昔なら「ここまで降ることは滅多にない」と考えられていた規模の雨まで想定しながら、これからの治水を考えなければならない時代になっています。

▶ 千葉県「一宮川流域治水協議会」

それでも、茂原なら克服していけると思う

茂原は昔から、水害という大きな課題を抱えながら発展してきた街です。

何度浸水しても、そのたびに河川を改修し、排水設備を改善し、次の災害に備えてきました。その積み重ねによって、現在の茂原があります。

今回の豪雨でも被害を受けた地域があり、まだやるべきことは数多く残っています。

それでも、以前なら水没していた場所が守られたという事実を目の前で見ると、治水への取り組みは決して無駄ではなく、着実に前進していると感じます。

過去の水害を一つずつ乗り越えてきた街なら、これから増えていく豪雨にも必ず対応していける。

そう思わせてくれる今回の豪雨でもありました。

市長インタビューから見える「水害のない街」への本気度

チバテレでは今回の豪雨を受け、茂原市長へのインタビューを通じて、市の水害対策がどこまで機能したのか、今後どのような対策を進めていくのかを取り上げています。

茂原市では「水害のない街づくりプロジェクト・チーム」を設置し、部や課をまたいだ体制で内水対策を検討しています。また、2026年度の施政方針でも「安全・安心」につながる内水対策を重点施策として位置づけています。

河川整備は千葉県、内水対策は市、さらに流域の自治体や土地所有者など、多くの関係者が関わる長期的な事業です。

華やかさのある政策ではありません。しかし、豪雨の夜に街が水に沈まないことほど、市民生活にとって重要な成果はありません。

目指してほしいのは「茂原は水害に強い街」と言われる未来

かつて「茂原は水が出るから」と言われた地域が、いつか逆に、

「茂原は昔から水害と戦ってきたからこそ、治水に強い街だ」

と言われるようになれば、街のイメージそのものも変わります。

住宅を建てる人、企業、店舗、これから茂原へ移り住む人にとっても、水害に強い街であることは大きな安心材料になります。

まだ道半ばです。しかし今回の豪雨で見えた変化を考えると、その未来は決して絵空事ではないと感じます。

これまで治水に携わってきた市、県、工事関係者、地域の方々の積み重ねを評価しつつ、さらに一歩、二歩と対策を進めてほしいと思います。

水害との長い戦いを続けてきた茂原だからこそ、その先にある「水害に強い街」を実現してほしい。

今回の豪雨を経験して、改めてそう思いました。

※この記事は2026年9月時点で公表されている茂原市・千葉県の治水計画等と、今回の豪雨時に地域で確認した状況をもとに構成しています。浸水状況は地域によって異なります。

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