2026年9月3日木曜日

【茂原市で男3人逮捕】豪雨被害の家を狙う訪問業者に注意 業者が来るまで自分でできる応急処置も紹介

 【茂原市で男3人逮捕】豪雨被害の家を狙う訪問業者に注意 業者が来るまで自分でできる応急処置も紹介

2026年8月の千葉豪雨で大きな被害を受けた茂原市で、被災した住宅を狙った詐欺未遂事件が発生しました。

千葉県警によると、8月30日から31日にかけて、67歳の男性宅を訪れた男らが、

「茂原市役所から依頼されて、床下浸水の被害に遭った家を回っています。その確認に来ました」

「床板がぶよぶよになっているので、床の工事をしたほうがいい」

などとうそを言い、現金をだまし取ろうとしたとして、23歳の男ら3人が9月1日までに逮捕されました。

災害の後には、こうした飛び込み営業に特に注意が必要です。

台風、豪雨、竜巻、地震などで家が傷んだ後には、

「屋根が壊れています」
「床下を点検します」
「漏電しています」
「今すぐ修理しないと危険です」

などと言って、突然業者が訪ねてくることがあります。

もちろん訪問してくる業者がすべて悪質だということではありません。

しかし被災直後は、できるだけ「突然来た知らない業者とは、その場で契約しない」と考えておいた方が安全です。

実際、千葉市も大雨や地震の後の悪質商法について注意を呼びかけており、突然訪問してきた業者から勧誘されても即決せず、複数業者から見積もりを取るよう案内しています。

■ なぜ被災直後は飛び込み営業を頼みたくなってしまうのか

これは被災した人の判断力が足りないという話ではありません。

むしろ、実際に家が被害を受けていれば切迫しています。

屋根から雨が漏れている。

床下に水が入った。

畳や家具が濡れている。

電気設備も心配。

しかも大きな災害が発生すると、地元の工務店、電気店、水道業者、屋根業者などにも依頼が殺到します。

昔から付き合いのある業者へ電話しても、

「順番に回っているので数日待ってください」

と言われることもあるでしょう。

そんなところへ、

「今日できますよ」

という業者が突然現れれば、頼みたくなってしまうのも無理はありません。

ですが、そこを悪質業者も狙ってきます。

急いでいるときほど、その場で高額な工事契約まで進めないことが大切です。

■ まずは普段付き合いのある地元業者へ

家の修理が必要なら、最初に相談したいのは、やはり普段から付き合いのある業者です。

地元の工務店、電気屋さん、水道屋さん、瓦屋さんなど、これまで家を見てもらったことのあるところがあれば、まずそこへ相談します。

すぐに来られない場合でも、

「とりあえず何をしておけばいいですか?」

と聞けば、応急処置を教えてもらえることがあります。

また、その業者自身が手いっぱいでも、知り合いの業者を紹介してくれる場合があります。

知らない飛び込み業者へいきなり数十万円、数百万円の工事を頼むより、こちらから信頼できる業者を探した方が安心です。

■ 業者が来るまで、雨漏りはどうする?

雨漏りしているからといって、台風や雨の中で自分で屋根へ上るのは危険です。

特に濡れた瓦や屋根材は滑ります。

まずは室内側で被害が広がらないようにします。

雨が落ちてくる場所にバケツや大きめの容器を置き、その周囲には古いタオルや新聞紙などを敷きます。

水滴がバケツに落ちて周囲へ跳ねる場合は、バケツの中に雑巾などを入れておくと水跳ねを抑えられます。

濡らしたくない家具、家電、布団などは雨漏り箇所から離します。

天井から水が回っているような場合は、その場所の下にある電気製品を移動し、コンセントや照明器具など電気設備まで濡れている場合には無理に触らず、電気店や電気工事業者に相談してください。

屋根へブルーシートを掛ける作業もよく行われますが、高所作業になります。

雨風が残っている段階で無理に屋根へ上るより、まず室内への被害拡大を防ぎ、天候が回復してから適切な人に依頼する方が安全です。

■ 床下浸水は「水を出す→泥を取る→乾かす」が基本

床下に水が入った場合も、何でもすぐに薬剤で消毒すればよいわけではありません。

厚生労働省は、浸水した家屋について、まず土砂を取り除き、十分に清掃して乾燥させることが重要だとしています。

水が引いた後は、可能な範囲で泥や汚れを取り除きます。

窓や扉を開けられる状態なら換気し、床下や室内をできるだけ乾燥させます。

扇風機や送風機なども、電気設備が安全であることを確認できている環境なら乾燥の助けになります。

清掃するときは泥の中に何が混じっているか分からないため、手袋を使用し、ほこりを吸わないようマスクを着用します。

厚生労働省も、浸水した家屋では「清掃」と「乾燥」が重要であり、清掃時には手袋やマスクを使用するよう案内しています。

完全な修繕は後で専門業者に任せるとしても、

「濡れたまま放置しない」
「泥を取り除く」
「風を通して乾かす」

というところまでは、状況によっては自分たちでも進められます。

■ 水に浸かった家電は、乾いたように見えてもすぐ使わない

ここは特に注意が必要です。

浸水した冷蔵庫、洗濯機、延長コード、電気器具などを、

「もう乾いたから大丈夫だろう」

と、そのままコンセントにつなぐのは避けます。

内部に水分や泥などが残っていると、漏電や火災につながるおそれがあります。

電気事業連合会も、水に浸かった電気製品は使用せず、電気店などで点検を受け、安全を確認してから使用するよう呼びかけています。

経済産業省も、浸水した電気製品内部に水分、泥、塩分などが残ることで、復電後に発火する危険性を注意喚起しています。

今回の茂原の事件でも「床下浸水」とともに電気設備への不安を利用する手口が報じられています。

電気は素人判断で修理せず、本当に異常が疑われるなら、普段付き合いのある電気店や電気工事業者へ見てもらうのがよいでしょう。

■ 人手が足りなければ「修理」以外の部分を人に頼む方法もある

災害後には、

「専門業者が来るまで何もできない」

と思ってしまいがちですが、すべてを専門工事業者へ頼む必要はありません。

例えば、

・濡れた家財の運び出し
・家の中の片付け
・泥やごみの除去
・家具の移動
・庭や敷地の片付け

など、専門工事ではない部分だけ人の手を借りる方法があります。

茂原市では今回の2026年8月豪雨について、茂原市社会福祉協議会が被災住宅へボランティアを派遣し、家の中の片付けや清掃、家具の運び出し、敷地内の片付けなどを無償で手伝う制度を案内しています。

自力での片付けが難しい人は、こうした制度が現在利用できるか、市役所や社会福祉協議会へ確認してみる価値があります。

また、災害時に限らず、軽作業についてはシルバー人材センターへ相談する方法もあります。

茂原市シルバー人材センターでは一般家庭から仕事の依頼を受け付けており、内容を伝えたうえで対応可能な仕事か確認できます。通常は依頼から就業者決定まで1週間程度かかるとの案内もあるため、緊急工事向けというより、片付けなど急を要しない作業を頼む候補として考えるとよさそうです。

地域の便利屋・何でも屋などへ、家具移動や片付けといった作業だけ依頼する方法もあります。

ただし、

電気工事
ガス設備
屋根の本格修理
建物構造に関わる修繕

などは、必要な知識や資格を持つ適切な業者へ任せた方が安心です。

つまり、

「今すぐ専門業者が来ない」
  ↓
「だから突然訪ねてきた業者に全部頼む」

ではありません。

「自分でできる応急処置をする」
「家族や知人にも手伝ってもらう」
「行政や社会福祉協議会の支援を調べる」
「片付けならシルバー人材センターなどにも相談する」
「本格的な修理は信頼できる専門業者の順番を待つ」

という方法があります。

■ 「市役所から来ました」と言われたら、その人ではなく市役所へ確認

今回の事件から覚えておきたいことがもう一つあります。

相手が、

「市役所から依頼されました」

と言ったからといって、それだけで信用してはいけません。

本当に市役所から来たのなら、市役所へ確認すれば分かります。

その場で相手が示した電話番号へ電話するのではなく、自分で茂原市役所の公式サイトなどから代表番号を調べて確認します。

今回の事件でも「茂原市役所から依頼されて床下浸水した家を回っている」という説明そのものが、警察が発表した虚偽の内容でした。

■ 災害直後こそ「今日契約してください」に乗らない

家が壊れている。

雨が入ってくる。

床下が水浸しになった。

こういう状況なら、一日でも早く直したいのは当然です。

ですが、その焦りにつけ込む人間もいます。

「今日ならできます」

「今すぐ直さないと危険です」

「市役所から頼まれて来ました」

「今なら安くできます」

そんな言葉を聞いたときこそ、一度止まってください。

応急処置で数日しのげるのであれば、まず被害が広がらない状態を作る。

そして普段付き合いのある地元業者や、自分から探した信頼できる専門業者へ相談する。

順番が回ってくるまで時間がかかるとしても、突然家へやって来た知らない業者とその場で数十万円、数百万円の契約をしてしまうより、ずっと安全です。

外房では台風や豪雨の被害は他人事ではありません。

被災直後は家を直すことだけで頭がいっぱいになります。

だからこそ平時のうちから、

「災害の後に突然来た業者とは、その場で契約しない」

これだけでも家族で共有しておきたいところです。

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