最近、全国各地で空き巣や侵入窃盗のニュースを目にする機会が増えています。
2026年8月31日には徳島市内の民家で、1億円を超えるとみられる空き巣被害が発生しました。
報道によると、住人が外出している間に1階玄関がバールで壊され、高級腕時計や貴金属、ブランドバッグなどが盗まれたとされています。
防犯カメラには目出し帽をかぶった4人組が映っており、犯行に使われたとみられる黒い車はナンバープレートまで付け替えられていたとのことです。
警察は、匿名・流動型犯罪グループ、いわゆる「トクリュウ」が関係している可能性も視野に捜査しています。
もちろんこれは徳島県で起きた事件です。
しかし、こうした侵入窃盗が全国で起きている以上、茂原市や長生郡に住む私たちにとっても「遠くの出来事」で終わらせず、普段からできる防犯について考えておく価値はあると思います。
防犯カメラや補助錠だけが防犯ではない
空き巣対策というと、まず思い浮かぶのは防犯カメラやセンサーライト、窓の補助錠、防犯ガラスなどではないでしょうか。
もちろん、こうした設備は重要です。
一方で、ほとんどお金をかけず、地域全体でできる防犯対策もあります。
それが、
「こんにちは」「こんばんは」と普通に挨拶をすること
です。
「そんなことで本当に防犯になるの?」と思うかもしれません。
実は千葉県警も、防犯パトロールの方法として「あいさつや声かけ」を明確に推奨しています。
千葉県警「犯罪者は声をかけられることを嫌います」
千葉県警の防犯パトロール案内では、声かけについて、
「おはようございます」「こんばんは」といった挨拶だけでも十分
と説明しています。
地域の人同士が声をかけ合うことで地域の連帯感が生まれ、犯罪をしようとしている人は声をかけられることを嫌うためです。
千葉県警のQ&Aでも、挨拶や声かけについて、これから悪いことをしようとする人が声をかけられることで出鼻をくじかれたり、顔を見られたことで犯行を思いとどまったり、その場から立ち去ったりすることがあり、犯罪抑止に大変効果があると説明しています。
空き巣対策としても「あいさつ運動」を推奨
さらに千葉県警は、空き巣対策のページでも自治会単位でできる防犯として、
- 防犯パトロール
- 一戸一灯運動
- あいさつ運動
を挙げています。
あいさつ運動については、近所同士が顔見知りになれば、普段見かけない人が地域へ入ってきたときに気づきやすくなり、泥棒側も声をかけられることで犯行を思いとどまる効果が期待できるとしています。
警察庁も「人の目」を防犯の基本にしています
これは千葉県警だけの考え方ではありません。
警察庁も自主防犯活動について、町内での挨拶や声かけ、散歩や買い物の際の見守りなどによって、犯罪をしようとする人に、
「ここでは誰かに見られているかもしれない」
と思わせることが犯罪抑止につながるとしています。
防犯の専門用語では、このように地域の中で自然に「人の目」が存在する状態を、監視性の確保といいます。
監視というと少し物々しく聞こえますが、別に誰かをじろじろ観察するという話ではありません。
近所の人同士が普通に挨拶し、散歩し、買い物をし、地域に人の目がある。
それだけでも犯罪をやりにくい環境を作ることにつながります。
茂原市全体で「あいさつ運動」をしてみませんか?
そこで当ブログから、一つ提案してみたいと思います。
茂原市全体で、もっと自然に「あいさつ」をする文化を作ってみませんか。
大げさな運動にする必要はありません。
朝なら「おはようございます」。
昼なら「こんにちは」。
夜なら「こんばんは」。
散歩中でも、買い物の途中でも、近所ですれ違ったときでも構いません。
誰かを不審者扱いするのではなく、普通の地域コミュニケーションとして挨拶するだけです。
挨拶には「お互いの存在を確認する」意味もある
先日、夜の少し薄暗い場所を歩いていたとき、向こうから人が近づいてきました。
特に何かされたわけではありません。
それでも暗い場所で知らない人が近づいてくれば、多少警戒するのは自然なことです。
そんなとき、改めて挨拶というものについて考えました。
「こんばんは」と一言交わせば、お互いに相手の存在を認識します。
近所の人なら、「ああ、あの人だったのか」と分かるかもしれません。
初めて見る人でも、少なくとも、
「こちらはあなたの存在に気づいています」
ということは伝わります。
考えてみれば、昔から地域社会で交わされてきた挨拶には、単なる礼儀だけでなく、お互いを知り、お互いの存在を確認する役割もあったのかもしれません。
「顔を見られた」と思わせるだけでも意味がある
空き巣などの犯罪をしようとしている人からすれば、なるべく誰にも見られず、誰にも覚えられずに行動したいはずです。
ところが住宅街を歩いていると、
「こんにちは」
と住民から声をかけられる。
別の道でも、
「こんにちは」
と声をかけられる。
そうなると、
「この地域の人はよく周囲を見ている」
という印象になります。
千葉県警が説明しているように、「顔を見られた」と感じること自体が犯罪を思いとどまらせる要因になる場合があります。
子どもだけでなく、大人も挨拶を
防犯のための挨拶というと、子どもの見守り活動を思い浮かべることが多いかもしれません。
しかし、これは大人同士でも同じです。
高齢者。
会社員。
学生。
買い物中の人。
犬の散歩をしている人。
ジョギングしている人。
みんなが無理のない範囲で挨拶をする。
それだけでも、地域全体にかなり多くの「人の目」ができます。
町内会や自治会だけがやる必要もありません
「あいさつ運動」と言うと、町内会や学校がのぼりを立てて大人数で活動する姿を想像するかもしれません。
もちろん、そうした活動も大切です。
でも、もっと気楽でいいと思います。
千葉県警自身も、防犯活動について「無理をせず、できる範囲で」と案内しています。
散歩ついで。
犬の散歩ついで。
買い物ついで。
通勤通学の途中。
そんな日常生活の中で「こんにちは」と声をかけるだけなら、特別な費用も必要ありません。
防犯カメラ+鍵+地域の目
もちろん、挨拶さえすれば空き巣がなくなるという話ではありません。
住宅の防犯では、
- 玄関や窓を確実に施錠する
- 補助錠を使う
- 防犯カメラを設置する
- センサーライトを設置する
- 長期間留守にするときは郵便物をためない
- SNSで長期不在をリアルタイムに知らせない
といった対策も重要です。
そこへもう一つ、
「地域の人同士が挨拶をする」
という防犯を加える。
設備による防犯と、人による防犯を両方組み合わせれば、より犯罪を起こしにくい地域に近づけると思います。
不審者を自分で追いかける必要はありません
ここは重要です。
挨拶運動は、不審者を捕まえたり問い詰めたりする活動ではありません。
千葉県警も、不審者や不審車両を発見した場合には、近寄ったり声をかけたりせず、警察へ通報するよう案内しています。
明らかに様子がおかしい人や、危険を感じる相手にまで無理に挨拶する必要はありません。
事件や事故を目撃した場合は110番。
緊急ではないものの不審な人物や車について相談したい場合には、警察相談専用電話「#9110」などを利用できます。
「茂原は人の目がある街」に
犯罪を完全になくすことは簡単ではありません。
それでも、犯罪を起こしにくい街を作ることはできます。
防犯カメラを増やす。
街灯を明るくする。
鍵をきちんとかける。
そして、住民同士が普通に挨拶する。
一つ一つは小さなことでも、それが地域全体に広がれば、
「茂原は周囲をよく見ている人が多い街だ」
という空気を作ることができます。
これは防犯だけでなく、地域のつながりを少し取り戻すことにもつながるかもしれません。
まずは今日、近所で誰かとすれ違ったら、
「こんにちは」
あるいは、
「こんばんは」
と一言声をかけてみませんか。
そんな小さなことから、より安全で暮らしやすい茂原になっていけばいいと思います。
当ブログでは地域の安全と街づくりに役立つ情報を発信します
当ブログでは、茂原市や長生郡をはじめとする周辺地域に暮らす皆様の生活の安全、地域の治安維持、よりよい街づくりに少しでも役立つことを念頭に、地域情報を発信しています。
観光やイベント、新しいお店などの楽しい話題だけでなく、防犯、詐欺、災害、事故など、地域で安心して暮らすために知っておきたい情報についても積極的に取り上げていきます。
この記事を読んで「挨拶くらいなら自分にもできそうだ」と思っていただけたら、ぜひ身近なところから始めてみてください。
参考:千葉県警察「防犯パトロールの方法」「防犯パトロールQ&A」「空き巣の防犯対策」、警察庁「自主防犯ボランティア活動支援サイト」、2026年9月の徳島市における侵入窃盗事件報道